21世紀BEST OF THE BLUE1982→

谷村新司 21世紀BEST OF THE BLUE1982→歌詞
1.階 -きざはし-

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

海を渡る風は夢の匂い運び
燃ゆる瞳をなお紅く染めてゆく
耳を澄ませばいま遠い国の調べ
胸の琴糸を甘くゆらしてくる

※時が来れば野を駈けても
行かなけりゃ行かなけりゃ
悔やむ気がする
あなたにはあなたには
夢を信じていてほしい
僕は今橋になる
夢を渡らせる為の橋になる※

人はいつも胸に穏やかな覚悟を
抱きしめながらも夢を追う階
美しく生きたい終の宿までは
愛に支えられ遥か旅路を往く

(※くり返し)

あなたにはあなたには
夢を信じていてほしい
僕は今橋になる
夢を渡らせる為の橋になる


2.小さな肩に雨が降る

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

うつむき乍ら歩く肩に やさしすぎる春の雨
情熱だけで生きてゆくなど 虚しい夢と知らされた
若さゆえに別れた人を想い
どこまでも濡れたままで歩きたい
いつの日にか 涙も枯れる頃に
いやな唯の大人になる
冬の雨なら 今ここで死んでいたかもしれない

恐れるものは何もなくて 一人で生きていたのに
挫折の度に感じ続けた 夢はあまりに遠すぎる
若さゆえに明日がみえなくて
唯一人で生きるしか知らなくて
いつの日にか 喜びに涙する
それさえも信じられなくて
冬の雨なら 今ここで死んでいたかもしれない

どんな人にも雨はやさしく 時には残酷に降る
春の雨に肩を抱かれて もう少し歩いてみたい


3.忘れていいの -愛の幕切れ-

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

(女)忘れていいのよ 私のことなど
(女)一人で生きるすべなら知っている
(女)悲しいけれどこの年なら
(女)もういいわ もういいわ おこりはしないわ
(女)不思議ね 別れの予感を感じてた
(女)心の中で少しづつ
(男)甘い夢 見ていた二人に
(男)不意に訪れた 悲しい愛の幕切れ

(女)笑って見送る私は平気よ
(女)貴方を乗せたこのバスが 見えなくなるまでは
(女)笑っている
(女)見つめていないで 背を向けていいのよ
(女)上着の襟が立ってるわ 自分でちゃんと直すのよ
(女)今日からは
(男)指先の冷い女は
(男)臆病者だから 一人じゃ生きてゆけない
(女)手を振る貴方に心は乱れる どうかあなた
(女)どうかあなた 行かないで 行かないで

(女)忘れていいのよ 私のことなど
(女)一人で生きるすべなら知ってる 悲しいけれど
(女)この年なら

(男女)遠ざかる愛が消えてゆく
(男女)涙あふれても逃げない バスが行くまで
(男女)涙あふれても逃げない バスが行くまで


4.いい日旅立ち

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

雪解け間近の北の空に向かい
過ぎ去りし日々の夢を 叫ぶ時
帰らぬ人達 熱い胸をよぎる
せめて今日から一人きり 旅に出る

ああ 日本のどこかに
私を待ってる人がいる
いい日旅立ち 夕焼けをさがしに
母の背中で聞いた歌を 道連れに

岬のはずれに 少年は魚つり
青い芒(すすき)の小径を 帰るのか
私は今から 想い出を創るため
砂に枯木で書くつもり“さよなら”と

ああ 日本のどこかに
私を待ってる人がいる
いい日旅立ち 羊雲をさがしに
父が教えてくれた歌を 道連れに

ああ 日本のどこかに
私を待ってる人がいる
いい日旅立ち 幸福をさがしに
子供の頃に歌った歌を 道連れに


5.レストランの片隅で

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

手首の傷を時計でかくして 明るく振るまうの
化粧道具もあの時のまま 口紅も折れたままよ
貴方がくれたピアスも 港から海に捨てたわ
熱い指先で触れた この耳たぶも冷たいわ

私を抱いたその腕で 今夜は誰を抱いてるの
悔しいわけじゃないけど 少しだけ気になるの不思議ね

抱きあう度に別離の歌が 聞こえた気がした
広い世界を狭く生きても それが幸福だった
レストランの片隅で はじめての煙草を吸えば
苦しさに涙あふれた 淋しさに涙あふれた

まわりの人が遠くから 私を盗み見してるけど
このままかまわないでいて 想い出のこの店に居させて

貴方がかけたこの椅子に 手のひらを押しあててみた
その冷たさが教えてた あの夏の日は終わったと

まわりの人が遠くから 私を盗み見してるけど
せめてこの店が終わるまで 想い出のこの場所に居させて


6.夜顔

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

気休めだけの言葉に 体も慣れたわ 今では
やつれた指のリングさえ 重くて痛いわ このまま
愛を忘れた骸達が 繰り返す道化芝居に
最後の幕を下ろすには 裏切ることだけね

行きずりの人に 声かけて
視線で誘ってみる
やさしい妻の顔を捨てて
女の顔になる

幸福を求める度に 不幸福になる 何故なの
だいそれた望みじゃないわ ぬくもりが欲しい それだけ
愛が静かにこぼれてゆく 二人の指の隙間から
さしさわりない妻よりは 狂った女になりたい

行きずりの人に 声かけて
視線で誘ってみる
やさしい妻の顔を捨てて
女の顔になる

見知らぬ人に 抱かれながら
涙が ほほをぬらす
悲しい仮面のその下で
妖しく 燃えてゆく


7.Far away

作詞:伊藤薫
作曲:伊藤薫

こんなに遠く離れていても
夜毎心は空を駆けてゆく
君だけいれば君さえいれば
生きる事さえ辛くないから

君が病んだ時は僕は息を止めて
熱い想いをこめ祈り捧げたい

Too far away
愛への道は far away
だけどかすかに光見えればそれでいい
Too far away
君への道は far away
だから言葉をひとつくれればそれでいい

見えない糸で結ばれている
そんな約束僕はほしいよ
つきなみだけどこの世に一人
君だけ好きだ 君だけ好きだ

君を風に変えて空に飾りたい
僕は星になって君を守りたい

Too far away
愛への道は far away
だけど君のほほえみ思えばそれでいい
Too far away
君への道は far away
だから勇気をひとつくれればそれでいい

Too far away
愛への道は far away
だけどかすかに光見えればそれでいい
Too far away
君への道は far away
だから言葉をひとつくれればそれでいい


8.三都物語

作詞:多夢星人
作曲:谷村新司

胸さわぎの旅は いま始まって
時の流れのままに こころを遊ばせ
この私は 誰を訪ねるあてもなく
まるで詩人のように 景色に染って

ああ なんて 街それぞれ美しいの
ああ なんて 人それぞれ生きているの

昨日 今日 明日 変わり行く私
紅くいろづくときめきを 誰に告げましょう

風そよげば ひとり胸抱きしめて
愛の不思議を思う 吐息をもらして
この泪は きっと感じるよろこびね
揺れる瞳に映る 季節に恋して

ああ なんて 街それぞれ美しいの
ああ なんて 人それぞれ生きているの

朝に舞う夢 黄昏に出会い
ほんの一時のためらいを 誰に言いましょう

昨日 今日 明日 変わり行く私
紅くいろづくときめきを 誰に告げましょう


9.22歳

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

白いシーツをまきつけ 背中でサヨナラの
悲しい別離を感じてた 窓の外は光る海

やさしさとか愛だとか 綺麗な言葉など
信じれる程 若くはない それは知っていたけれど

22歳になれば少しずつ 臆病者になるわ
何故かわかる? 貴方
私の髪の煙草の匂い 消えるまでの思い出ね
私の髪の煙草の匂い 消えるまでの思い出ね

やさしくもない貴方に 振りまわされた日々
遊びのふりを続けるには 夏は少し長すぎた

激しい愛の言葉で つづられた歌など
しばらくは もう聞きたくない 強がるには疲れ過ぎた

22歳になれば少しずつ 臆病者になるわ
何故かわかる? 貴方
愛の映画に照れて笑った 貴方が寂しかったわ
愛の映画に照れて笑った 貴方が寂しかったわ

22歳になれば少しずつ 臆病者になるわ
何故かわかる? 貴方
あー 夏がゆく傷を残して 風はもう秋の気配
あー 夏がゆく傷を残して 風はもう秋の気配


10.浪漫鉄道(蹉跌篇)

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

名前も知らない駅の ホームで雪を見ている
枕木に落ちた夢の 跡を数えながらいま
右のレールは東京の街まで続く
左のレールは故郷のなつかしい街へと

挫折と憧れだけ 震えながら抱きしめた
線路の軋(きし)みは似てる 旅人の叫び声に

出逢いはいつも悲しい 別離(わかれ)の時を思えば
老人がつぶやいていた 人生は皆泡沫(うたかた)
右のレールは無惨な夢への誘い
左のレールはささやかな幸福の誘い

挫折と憧れだけ 震えながら抱きしめた
線路の軋(きし)みは似てる 旅人の叫び声に

挫折と憧れだけ 震えながら抱きしめた
線路の軋(きし)みは似てる 旅人の叫び声に

挫折と憧れだけ 震えながら抱きしめた
線路の軋(きし)みは叫び 戸惑う汽車は旅人


11.ダンディズム

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

帰れダンディズムの都へ
夜は男の心の中
踊れ裸足のままで
汗に濡れたシャツのままで
息子よいつの日かこの酒を
古びた止まり木の片隅で
酔えば俺をかつぎ出せ
月あかりの石だたみへ

歌おう大きな声でお互いの
叫ぼう愛する人の為に
歌おう君の愛する母の歌を
歌おう私の愛する妻の歌
人生は束の間の祭り
せめて人を愛せよ ダンディズム

戻れダンディズムの港へ
船は男の心の中
怒れ時代の波に
優しさとは強さのこと
息子よいつの日かこの時が
君の想い出に変わる頃
俺は遠くの酒場で
グラスをあげ笑っている

歌おう大きな声でお互いの
叫ぼう愛する人の為に
歌おう君の愛する母の歌を
歌おう私の愛する妻の歌
人生は束の間の祭り
せめて人を愛せよ ダンディズム
歌おう大きな声でお互いの
叫ぼう愛する人の為に
歌おう君の愛する母の歌を
歌おう私の愛する妻の歌
人生は束の間の祭り
せめて人を愛せよ ダンディズム


12.チャンピオン

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

つかみかけた熱い腕をふりほどいて君は出てゆく
わずかに震える白いガウンに君の年老いた悲しみを見た
リングに向う長い廊下で 何故だか急に君は立ち止まり
ふりむきざまに俺に こぶしを見せて寂しそうに笑った
やがてリングと拍手の渦が
一人の男をのみこんで行った(You're King of Kings)
立ち上がれ もう一度その足で立ち上がれ
命の炎を燃やせ

君はついに立ち上がった 血に染まった赤いマットに
わずかに開いた君の両目に光る 涙が何かを語った
獣のように挑戦者はおそいかかる 若い力で
やがて君は静かに倒れて落ちた 疲れて眠るように
わずかばかりの意識の中で
君は何を考えたのか(You're King of Kings)
立たないで もうそれで充分だ
おお神よ彼を救いたまえ

ロッカールームのベンチで君は
切れたくちびるでそっとつぶやいた(You're King of Kings)
帰れるんだ これでただの男に帰れるんだ
これで帰れるんだ
ライ ラ ライ
ライ ラ ライ……


13.サライ

作詞:谷村新司
作曲:弾厚作

遠い夢すてきれずに 故郷(ふるさと)をすてた
穏やかな春の陽射しが ゆれる小さな駅舎(えき)
別離(わかれ)より悲しみより 憧憬(あこがれ)はつよく
淋しさと背中合わせの ひとりきりの旅立ち

動き始めた 汽車の窓辺を
流れゆく景色だけを じっと見ていた
サクラ吹雪の サライの空は
哀しい程青く澄んで 胸が震えた

恋をして恋に破れ 眠れずに過ごす
アパートの窓ガラス越しに 見てた夜空の星
この街で夢追うなら もう少し強く
ならなけりゃ時の流れに 負けてしまいそうで

動き始めた 朝の街角
人の群れに埋もれながら 空を見上げた
サクラ吹雪の サライの空へ
流れてゆく白い雲に 胸が震えた

離れれば離れる程 なおさらにつのる
この想い忘れられずに ひらく古いアルバム
若い日の父と母に 包まれて過ぎた
やわらなか日々の暮らしを なぞりながら生きる

まぶたとじれば 浮かぶ景色が
迷いながらいつか帰る 愛の故郷(ふるさと)
サクラ吹雪の サライの空へ
いつか帰るその時まで 夢はすてない

サクラ吹雪の サライの空へ
いつか帰る いつか帰る きっと帰るから
いつか帰る いつか帰る きっと帰るから


14.CORAZON

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

学生の頃は自由に気ままに
恋をしてたわ 気がつけばいつも
あなたが遠くから見つめる
視線だけは背中に感じていた
あなたはいつもいい人だったわ
友達にでも私にとっても
けれど私が魅かれる男は
いつも あなたではなかったわ
忘れない彼との恋にくるい家を出た私を
小雨の駅に送ってくれた
あなたに ふり向きもしないで
ありがとうの言葉もかけずに
列車に消えてく わがままな私を
濡れながら あなたが見ていた
CORAZON 背中あわせの心
CORAZON 幸福をつかむために
私は震える心で
彼の背中にしがみついてたわけじゃない

走る列車の連結の陰で
彼のコートのゆげを見ながら
たった一度きりの人生だもの
まして春はあまりに短すぎるわ
不思議なものね 一度くらいは
自分のレールは 自分でひきたい
たとえ それが不幸へと続いてく
悲しい運命という名の列車でも
この人がいい人か そんなことはわからない
映画ならハッピー・エンド
このまま終わるけれど
かすかに感じていたわ
彼は幸福が似合わない人だと
幸福 求めたわけじゃないのよ
不幸福になる自由がほしかった
CORAZON 背中あわせの心
CORAZON わがままに見えるけれど
私はきっと悔やまない
だって一度きりの人生 セラヴィ セラヴィ

あなたのことを忘れたままの
彼と二人の小さな暮らしに
ピリオドをうたせたのは
明日を信じない 私の言葉だったわ
彼は子供が欲しいと幾度も
寝物語に私に言うけど
生まれ来る子供の幸福な人生まで
私には背負えはしないわ
求めすぎた彼には明日しかみえないまま
私は私で今日さえも見えないの
サヨナラ出て行く彼の
背中に別離の唄は聞こえない
時計の音も ざわめきもなにも
聞こえない大人のサヨナラ
CORAZON 背中あわせの心
CORAZON 気がつけば街は
ひとりぼっちで帰る
初めてのX'masイヴの夜
遠くで聞こえてるサイレント ナイト

10年ぶりの故郷の駅
小雨のホームで電話をかけたわ
寂しさと なつかしさと あなたへの想いと
ほんのわずかばかりの希望と
震えながらも まわすダイヤル
電話のむこうで なつかしい声が
傘もささず 駈けて来た あなたを見て
生まれて初めて泣いたわ
笑顔のまま私のまぶたをそっと押さえた
あなたの薬指
キラリ光る指輪
私が自由に生きたように
あなたも人生を生きていたのね
変わらない あなたの笑顔の奥の
悲しみに今初めて気付いた
CORAZON 背中あわせの心
CORAZON 震える私の小さな肩に
降り続く雨は冷たい
あの頃の私の心のように
CORAZON 背中あわせの心
CORAZON あなたの背中を見つめたままで
降り続く雨の舗道を
あの頃に戻って歩いてみたい
CORAZON 時は戻らぬままに
CORAZON 過ぎてゆくもの
CORAZON 時は戻らぬままに
CORAZON 過ぎてゆくもの
CORAZON 時は戻らぬままに
CORAZON 過ぎてゆくもの
CORAZON 時は戻らぬままに
CORAZON 過ぎてゆくもの
セラヴィ セラヴィ セラヴィ